旭ビルウォール(以下、AGB)は、『デザインのひきだし』編集長・津田淳子さんと、アートディレクター/グラフィックデザイナーの塩谷嘉章さんによる対談「Materiality of Print/印刷の質感」を公開しました。
今回の対談のきっかけとなったのは、2021年に彰国社から刊行された『ディテール9月号別冊 Contemporary Surface Design and Technology』です。
(彰国社/編著:押野見邦英、写真:中道 淳、編集協力:AGB)
本書では、AGBが建築家やデザイナーとともに取り組んできたファサードの事例を紹介しています。建築そのものだけでなく、その魅力や質感を一冊の本の中でどのように伝えるかにもこだわり、本文には4種類のインキを使った独自の印刷表現が採用されました。
この一冊を手にした津田さんは、その珍しい印刷表現に興味を持ち、『デザインのひきだし45』の表面加工特集でも紹介。今回の対談では、当時『ディテール』のアートディレクターを務め、本書のデザインを手掛けた塩谷さんとともに、インキの選択やテスト印刷、画面では確認することのできない「質感」をどのようにつくり出したのかを振り返っています。
本から、展示空間へ
『ディテール別冊』の刊行後、その内容は本の中だけにとどまりませんでした。
AGBは2022年、東京・六本木のAXIS Galleryで「Contemporary Surface Design and Technology」展を開催。誌面をもとに構成した大型パネルなどを通じて、ファサードの表現や技術を空間へと展開しました。展覧会は押野見邦英さんの監修、中道淳さんの写真により構成され、AGBが主催しています。


Contemporary Surface Design and Technology展(AXIS Gallery/監修:押野見邦英、写真:中道 淳、主催:AGB)
Photography by Nakamichi Atsushi (Nacasa & Partners)
対談の中では、この展覧会についても紹介しています。
一冊の本として編集されたものを、今度は展示空間のスケールへ。塩谷さんは、誌面の見開きそのものを一つの素材として捉え直し、3m×2mの大型パネルへと展開した制作過程について語っています。
「つくってみる」ことで、見えてくるもの
対談で繰り返し語られるのが、実際につくって確かめることの大切さです。
印刷では、画面上でデータを確認するだけでは分からない質感があります。インキを変え、テスト印刷を重ね、実物を見ながら判断していく。津田さんは対談の中で、印刷には「刷ってみないとわからない」ことが数多くあると語っています。
素材を選び、考え、試し、実物を確認しながらつくり上げていく。
分野は異なりますが、こうした姿勢は、さまざまな素材や技術と向き合いながら建築の外装をつくる、ファサードエンジニアリングにも通じるものがあります。

ぜひ動画とあわせてご覧ください。
ちなみに、この『ディテール別冊』が気になった方へ。採用イベントで見かけたAGBの社員に「ディテール別冊、ください」と声をかけてみてください。差し上げます。
「Materiality of Print/印刷の質感」
津田淳子(『デザインのひきだし』編集長)×塩谷嘉章(アートディレクター/株式会社SHIOYA Tokyo代表)
▼関連情報
・Materiality of Print/印刷の質感(PR TIMES STORY)
・ディテール9月号別冊 Contemporary Surface Design and Technology(彰国社出版)
・デザインのひきだし45